都会というとニューヨークしか思い浮かばない件とボーンコレクター
この記事を書いている2020年4月7日現在、ニューヨークは大変なことになっています。
どんな有様になっているかが手に取るように想像できるだけに、ニュースを読むたびに心が痛みます。
私が住んでいたのは西海岸だったということもあり、東海岸のニューヨークは一回しか旅行したことがありません。
しかし私にとって “都会” というと、ニューヨークしか思い浮かびません。ワシントンD.C.や東京ではダメなんです。
成功と失敗、生と死、富と貧困という両極端が隣り合わせに存在し、一瞬たりとも油断することが出来ない緊張感で包まれたニューヨークだけが、私にとっての “都会” なのです。
TVドラマや映画でご存知の方も多いと思いますが、今回はニューヨークの魅力を語ってみたいと思います。
緊張感に包まれた街
まあ米国ってのは銃を持てるお国柄だし、現在もサクセス・ストリーが語られることが多いです。裏を返して見ると、銃で撃たれる可能性はあるし、失敗して一文無しとなることもあり得ます。
しかしニューヨークは別格です。なにしろ通りには人が多いです。お店も人で溢れ返っています。
歳がバレますけど、古い映画の “摩天楼はバラ色に” の主人公はホテルのコンシェルジェでしたけど、どのホテルも活気で溢れています。
現在どうなっているかを想像すると心が痛みますけど、私が宿泊したのも、まさに映画に出て来たようなホテルでした。
「本当に同じユナイテッド・ステイツなのか?」と思うほど高いホテル代で、部屋は日本のホテルのように狭かったですけど、見たことないほどオシャレで隙のない雰囲気でした。
(これと対極なのが、我が家のお嬢様が「電灯が22個もあって、おうちよりも広いーっ!」って走り回った、エクシブ初島というホテルでしょうか)
表通りは本当に、人、人、人です。すぐ後ろを歩かれても、気付くのは難しいかもしれません。自然と、歩く足も速くなります。
たまたま日本人の女の子が二人組で歩いている光景に出くわしましたけど、肩掛けバッグが腰のあたりで揺れていました。
同じ日本人だけに、「こんなところで、そんなにスキだけでは宜しくない」と、思わず注意したい心境にかられました。
まあ私も他人のことは言えません。ボケっとしていて、目的地を1ブロック過ぎたところで曲がってしまいました。
すると表通りの一通りがウソのように、ゴーストタウンのように人が消え去り、道路は静けさで包まれます。
「マズいっ、これじゃ前と後ろから来られたら逃げ場がないっ!」って、思わず走り出して目立たない範囲で、平静を装いながら全力で歩き去りました。
「気にし過ぎだろう」って笑われてしまうかもしれませんけど、無知が赦されない街というのが、私のニューヨークに対する印象です。
映画や小説
で、どうしてそんなに特別な印象を持つのかというと、印象の強い映画や小説の影響だと言えるでしょう。
まずはSFアクション映画の “マトリックス” です。実際に撮影されたのはシドニーとのことですが、映画の舞台設定ではニューヨークとなっています。
先程の私が入り込んでしまった人通りのないストリートも、道路幅の差こそあれ、マトリックスで敵の襲撃を受けた場所みたいな感じでした。
私は名前こそSeiとNeoで似たような感じですし、いちおう太極拳はかじってますけど、銃弾を避けるような芸当は無理です。
何かあった時には命の別状が無くて済むように、胸ポケットに50ドル紙幣を入れていました。(少なくても怒りを買うし、多いと口封じの可能性があるって、職場のお姉さま(ベトナム系アメリカ人)に教えて貰いました)
一体これのどこが旅行記なんだ?という感じになって来ましたけど、こういうイメージは思い出し始めると、止まらなくなります。
おまけに私、映画の “ボーンコレクター” を観たこともあるのです。これはJeffery Deaverという小説化の推理ミステリーが原作ですけど、ものすごく “おどろおどろしい” です。暗い映像が多く、ホラー映画みたいな雰囲気でした。
そして私はJeffery Deaverの小説を、全て原書で読んでいます。これでニューヨークに明るい印象を持てというのは、酷というものではないでしょうか。
まあおかげで一度しか行ったことがないのに、なぜか何年も住んでいたような親近感さえ抱いています。そういえばデンゼル・ワシントン演じるリンカーン・ライムが住んでいる場所も、冒頭画像のような感じの建物でした。
面白い場所やお店が多い
さて恐ろしいことばかり書いてしまいましたけど、ニューヨーク訪問は面白かったです。会社にはニューヨーク・オフィスもあったので立ち寄りましたけど、所長の秘書さんには痛く感動しました。
何しろ西海岸の田舎者には馴染のない “ニューヨーク訛りの英語” です。何でもニューヨークはビッグアップルという通称があり、ニューヨーク訛りの英語も Apple English というのだそうです。
そういう英語を話す上品なご婦人が、親切に訪問を労ってくださるのです。これだけでも西海岸から数時間も飛行機に乗って、わざわざ東海岸のニューヨークに来たというものです。
ちなみにホテルからオフィスへの移動には、ニューヨーク独特の黄色いタクシーではなくて、地下鉄を使いました。平日の昼間だったこともあり、地下鉄は空いていて快適でした。
そういえば映画マトリックスを観た方はご存知のように、映画でも地下鉄が登場します。しかしニューヨークの地下鉄は、もっとこざっぱりとした感じでした。
あと… 映画ボーンコレクターにも黄色いタクシー(イエロー・キャブ)が登場しますけど、私の場合は空港からの移動にはタクシーを使いませんでした。さすがにニューヨークというか、ホテルとJ.F.ケネディ空港との往復にはシャトルバスを使えました。
だからほっと一安心というか残念というか、ニューヨーク名物のタクシーを使う機会が無かったのです。しかし考えて見ると、今回のような状況だと “バス” も悪化の一因なのかもしれないと感じる次第です。
あと有名なお店が全て揃っていますし、今では鉛筆専門店というものまで存在するそうです。1本4,000ドル(約40万円)の鉛筆が売れたこともあるそうです。
ファーバーカステルのパーフェクト・ペンシルに心惹かれる私としては、鉛筆専門店だけは一度訪問してみたいものだと思っています。
まとめ
さて駆け足になってしまいましたけど、こうやって書いてみると、やっぱりニューヨークというのは特別な街です。
実際、ニューヨークには空港が3つも存在します。東京にしても、成田空港と羽田空港の2つです。
そして何より、世界有数の名探偵であるリンカーン・ライムの住む街です。
いつの日か、我が家のお嬢様を引き連れて、再びブロードウェイでミュージカルを観ることが出来たりすると、嬉しいです。
それでは今回は、この辺で。ではまた。
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記事作成:四葉静