ラノベ「魔法科高校の劣等生」(英語多読用教材)で、楽しく英語を学習
さて英語は誰もが利用する言語なので、地道な努力を積み重ねて習得することになる。今日は知的にというよりは教材として楽しいものとして、ラノベ「魔法科高校の劣等生」を紹介させて頂くことにしたい。
ご存じない方のために簡単に紹介しておくと、著者はメーカー出身の元技術者である。彼はラノベというよりは、SFジュブナイル小説を書いているつもりだとコメントしている。特定分野の魔法は得意だけれども、魔法全般に関しては平均以下という高校生が主人公の話である。舞台は高校中心で始まったが、現在では世界が舞台になっている。
なにせ彼がその気になれば、人類全てをチリ一つ残さず消滅させることも可能なのである。魔法の分析と設計に優れており、世界有数の魔法ソフトウェア技術者としても知られている。一体どこが “劣等生” なのかと、凡人からすると思わず突っ込みたくなるような話である。
さてこの「魔法科高校の劣等生」だけれども、ブックオフのラノベ2017年総合ランキングでも2位を獲得している。”読者サービス” にも十分に気が配られているし、技術的な話や設備は実体験を生かして描いている。我が子(小学校四年生)は最新刊27巻が発売された時、ポストに投函されたことを知った瞬間、自ら走って取りに行った程である。
この魔法科高校の劣等生が、冒頭の画像のように英語化されているのである。TVアニメの英語版は多いけれども、本では珍しいかと思う。同じくブックオフのラノベ総合ランキング1位のソードアート・オンラインが英語化されている程度のように見える。
で、これらのラノベ小説の英語版、やさしい英語で書かれている。もちろん関係代名詞や倒置法といった文法レベルは高い。しかし単語などは、ノンネイティブでも苦労しないレベルに抑えられている。だから基本的な文例を身に付けた段階であれば、下手すると辞書に頼ることもなく読むことができる。自ら学んだことを実戦で試すには、ちょうど良いレベルの本だと言える。
ネイティブ向けの本だと、ダールの「チョコレート工場の秘密」などが英語の初学者向けに有名である。しかしこれは子供向けの本だけれども、なんというか “容赦” がない。前置詞の使い方というか、動詞の応用というか、まさに “English” である。
その点、”The Irregular at Magic High School”は、ノンネイティブ向けに書き直された “Graded Readers” (英語多読用本)のレベル5-7あたりと同じような印象を受ける。ある程度の基礎を固めたら、せっかくなので読んでみるも良いかもしれない。
ちなみに我が家のお嬢様は、この本から適当な例文を選んで、それを身に付けることに挑戦中である。まだ実用英検四級程度ならば、そういった使い方もアリかと思う。
“Your power is for times like these, right?
Not my power, not Mari’s, and not Suzune’s.
Azusa, right now, we need you.”
“I am not as benevolent as my brother.
Now, pray … that you will at least keep your lives.”
“I … I think I want to fight.
I don’t know how many more chances I’ll have to
seriously compete with Miyuki.
I don’t want to let this chance go.”
“If Kitayama wants to have a match with me,
then I have no reason to refuse her.”
“I absolutely cannot lose!”
“I’ll crush you with everything I have!”