[英語学習] 「鬼滅の刃」英語版マンガ(第9巻)で基礎力UP(2/2)
さて「鬼滅の刃」英語版(第9巻)サンプルの後半です。
関係副詞も登場するので、中学三年生レベルでしょうか。TOEICだとスコア650-800くらいになるかと思います。頑張って行きましょう。
まずは装備の準備
さて先の記事では、天元さんが「藤の家紋のある家」に向けて出発するところで終わりました。実は少し続きがあって、猪之助が感嘆のコメントを漏らします。
“Behold the power of the festival god!”
behold は「注視する/見守る」といった意味です。今風に翻訳すると、「祭りの神の力に刮目せよ」というところでしょうか。(原文は、「ぬぬぬ、これが祭りの神の力!!」ですけど)
“Naw, He’s just the Hahira Tengen Uzui.”
空気の読めない… というか、どこかおっとりした性格の炭治郎は、「いや、あれは柱の宇髄天元さんだよ」と答えます。ツッコミ役で常識人の善逸は大変です。
“Quit chatting! We have to follow him.”
動名詞を使った命令文ですね。chat はチャットですが、英語で出て来ると新鮮味が感じられます。
「今まさにやっていることを直ちにやめろ」という意味で、名詞の chat でなくて chatting を使います。(英会話では現在進行形も多用されます)
“At a house with a wisteria flower in its crest, members of the demon slayer corps receive assistance at no charge.”
wisteria flower(藤の花)「鬼滅の刃」の必須単語だし、実用英語でも頻出語句です。覚えておくのが良いです。(エクステリアで使われることが多いのです)
crest は印で、今回は「家紋」として使われています。at no charge は、特別サービスで無料であるためです。無料ドリンクサービスなどの場合は、”free of charge” が定番です。
“Uzui being super bossy” は、主語のある分詞構文ですね。bossy を修飾する super も、実用英語では頻出です。この表現も暗記しておいて、損はないです。Nod は、「頷く」です。
作戦会議
“Once in the entertainment district, I’ll gather information on the demon, while you keep your eyes open for women that I can marry.”
これは天元さんの命令です。”keep A 状態形容詞(open)” で、”目を開けた状態” つまり注意を続けるようにとのことです。なお、wives じゃなくて women that I can marry です。
このように訳したのは、wives だとシナリオのように善逸が誤解できないからです。私ならば、でも 実際には wives でしょうから、私ならば my ladies と訳します。で、善逸が噴火します。
“That’s absurd! Stop messing around! The demon slayer corps isn’t a matchmaking service!”
absurd は「馬鹿げている」です。mess は「乱雑にする/滅茶苦茶にする」で、先の記事でも登場した重要頻出単語です。
“I get that a weirdo like you must have a lot of trouble with the ladies, but don’t use members of the corps to find yourself a wife!”
weirdo は、weird の名詞形です。下線を引いた部分は名詞句です。
don’t 以降は二つ目の文で、命令文です。それからfind A B は珍しいですね。give A B(AにBを与える)と同じく、英語は語順が重要です。find a wife yourself とすると意味が異なるので、注意しましょう。
なお先に私ならば my ladies だと言いましたが、善逸も lady を使っています。関係性のある女性を意味したい時には lady が便利です。英会話で役立つので、覚えておきましょう。
“You idiot! My wives snuck into this entertainment district and have been gathering information about the demon here!”
“You (are) idiot!” です。snuck は sneak の過去形で、「こそこそ動く」といった意味です。gather(集める)も重要必須単語なので、知らなかったら覚えておきましょう。
“I’m going in because their communications suddenly stopped!”
ここでも in の後で、this entertainment district が省略されています。副詞の in(中へ)という可能性もありますが、具体物があります。したがって今回は前者でしょう。
そういえば先ほどは完了形で、この文は過去形になっています。私ならばこちらも have suddenly stopped としますが、まあそこまでは拘りませんか。(stopは “状態” でなくて “動作” なので、文法的はおかしくないし)
“Is that the weird fantasy you tell yourself?”
善逸のセリフです。下線部は名詞句です。tell yourself で、「自分自身に説明する」です。fantasy(ファンタジー)も、英語では頻出単語です。
私はかつて「秋葉原はどんなところ?」と質問されて、”Fantastic place!” と言って見事に通じ合った経験があります。(^^;)
“Here! these are letters they sent by crow!” (天元)
“So many! She must write very quickly.” (炭治郎)
“Dolt! I have three wives.” (天元)
天元は関係代名詞を使っていて、crow は「カラス」です。So many (letters)! です。炭治郎が she と言ったことに対して、dolt(間抜け)と返しています。
彼はずっと複数形を使っていたし、そう言われても、仕方ないでしょう。それにしても絵と dolt 日本語以上にマッチしています。もしかしてネーム時に翻訳も想定しているんでしょうかね?
“Gimme a break!” と、善逸は完全に我を失っています。ちなみに Give me a break.(ちょっと待ってくれ)の省略形ですね。このマンガでは珍しいです。
“You got a problem with that?”
で、とうとう天元も切れて、手を出してしまいました。で、「何か文句あるか?」という上記セリフになった訳です。
そして変装
作戦会議というにはお粗末でしたが、ともかく炭治郎・猪之助・善逸は状況を把握しました。で、炭治郎が質問します。
“In these letters, they keep reminding you not to stand out when you arrive. What are we gonna do?”
remind は「注意を促す」といったニュアンスで、日本でもリマインダとかリマインドが使われています。stand out は「目立つ」という意味です。arrive(訪れる)を知らない人はいないでしょう。
gonna は going to の省略表現ですが、ここでは少し英会話的に違和感があります。遥か格上の上司に質問する時に、省略形って使うのでしょうか?
“Use disguises, of course. It’s boring and plain, but I have to get you in there for your mission.”
disguise は、ここでは「変装」です。bore が「うんざりする、退屈する」で、plain は形容詞で「質素、淡泊」といったニュアンスです。プレーン・ヨーグルトのプレーンです。
日本語版では「あることをして」がありますが、ここでは省略されています。for your mission の代わりに、with some means(ある手段で)とか言わないのが不思議です。
そういえば日本のマンガは小説と同じで、右から左にセリフが流れますね。上記の天元さんのセリフは横長のコマに記述されているので、思いっきり違和感を感じてしまいました。
しかしこの違和感のおかげで読み方が分かり、次の長いセリフが読みやすくなります。an とあるので、幾つか調べているうちの一つだったような気がします。
“I thought an entertainment district would be the perfect place for demons to hide but when I snuck in as a customer, I couldn’t find any leads. But my three wives are outstanding Kunoichi – female ninjas -, so I sent them in, but not as customers.”
“for A(demons) to B(hide)” のto不定詞です。snuck は先ほどの通りで、sneak(こそこそ忍び込む)の過去形です。
私ならば実際に挑戦して実現できなかったので could でなくて was not able to を使うところです。これは英会話だから could でOKなのでしょうか。なお lead は「手がかり(導くもの)」で、TVドラマなどで頻出します。
outstanding も頻出単語で、「傑出した(突出した)」です。female も頻出単語で、「女性」です。基本的な単語と言い回しで翻訳されており、翻訳のプロは流石ですね。
“We’ve narrowed it down to three establishments, so you’ll go there and look for my wives.”
narrow は「せばめる」という意味です。日本語でも「絞り込む」と言いますね。establishment(施設)は、establish(設立する、制定する、打ち立てる)の名詞形です。どちらも必須単語です。
look for で「探す」という熟語です。あと「ときお屋」というお店を、”House Tokio” と翻訳しています。実はHouse には劇場・小屋・旅館・酒場といった意味があります。
ジーニアス英和大辞典によると、昔は俗語として、まさに今回のような施設の意味もあったとのことです。
いずれにせよ変装作戦が決まり、いよいよ実際に潜入捜査が始まります。見本は、ここで終わりです。
まとめ
以上が、「鬼滅の刃」の英語版(第9巻)のサンプルでした。
想像していたよりも、分かりやすい英語で驚いたかと思います。正直、私も驚いています。
覚えて損のない英語ばかりです。我が家のお嬢さんや友達も、「鬼滅の刃」の大ファンです。小学生に高校受験英語は厳しいですが、印象的なセリフを教えるのは有効そうな気がします。
もちろんTOEICの英語学習教材としても良いでしょう。暗記するほど身に付ければ、TOEICスコア800越えも夢ではないかと思います。
日常会話ならば、理想的と言えるかもしれません。何より、勉強する気になれるところが素晴らしいです。
それでは、今回はこの辺で。
ではまた。
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四葉静(TOEICスコア950以上)