英語リーディング教本という参考書と英国在住経験者たち

さて暫く前のエントリで「英語リーディング教本」という参考書を紹介しました。

これは元予備校講師の薬袋善一氏による参考書です。その際にも解説したように、英国チャーチル元首相が紹介していた方法が理論的なベースです。

一言にまとめると、一文の文章構造を五文型から始めて徹底的に分解/分析することにより、作文者の言いたいことを正確に把握する方法です。

ただしこれだけの説明では、一体何が言いたいのかピンと来ないかもしれません。

そこで今回は、参考書で紹介されている例文のうち幾つかを取り上げ、実際に紹介してみたいと思います。

またどうして紹介した例文が重要であるのかを、英国在住経験者たちを例に解説してみたいと思います。

これで英語リーディング教本が、果たしてあなたの英語力アップに役立つ本であるかを確認して頂けると幸いです。

(この本は英語センスのある人には必要のない本です)

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英語リーディング教本

さて冒頭で少し触れたように、チャーチル流の英語学習方法とは相当クセのある技法です。

何しろ数学や物理のように、理詰めで英文を分解/分析します。正誤センスのある人は、こんな技法を身に付ける必要はありません。

彼ら/彼女たちはセンスがあるので、技法など使わなくても自然と内容理解することが可能です。知能指数とは関係がないので、五感が優れているとでも言うのが正しそうです。

一方で私のようにIQが120であっても、同じように英語力を伸ばせない者が存在します。単語や熟語を覚えることも、英文法を理解することも可能です。しかしそれだけではTOEICスコア900を余裕で超える英語力は身に付かないのです。

TOEICスコア900を超えるには、1,000時間程度の英語学習が必要と言われています。しかし私が費やしたのは軽く3,000時間は超えます。

1歳下の弟と比べると明らかなのですが、同じ時間だけ勉強しても数学/物理は遜色ないのに、英語力だけは圧倒的に伸びないのです。同じ兄弟なのに、不思議でした。

それで理由が分からずに困っていたところを助けてくれたのが、師匠のM君です。彼のアドバイスでTOEIC公式問題集を解いてみることによって、自分が英文内容を理解出来ていないと分かりました。

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内容理解できない英文に遭遇すると、まるで霧がかかったように、そこから文章全体が分からなくなって来るのです。この現象を設問に対する解答を選択する行為を通して分かった時には、自分でも感動したものです。

その内容理解できない英文から、そもそも自分が主語(S)や動詞(V)を識別出来ていないと分かるまでには、それほど時間はかかりませんでした。

ただし私の場合は状況が状況なので、何も迷わずにチャーチル流の “英文分解/分析” を自然に実行するしか選択肢がありませんでした。

しかしこの英文分解/分析という方法は、実は正攻法ではありません。なぜなら私たちが日本語を使う時に主語や動詞を意識しないように、英語のネイティブも主語や動詞を意識しません。

つまり意識することによって英文内容を理解する助けにはなるものの、そんなプロセスを実行する分だけ、英文を読む速度は遅くなります。だからこれは英語力が体得できるまでの間の、一時的な暫定対応に過ぎないのです。

例えば “God save the Queen.” という英文があります。これはSVOですが、そうするとsavesでないのかと疑問が湧きます。そしてこの文は仮定法現在だと分かります。

(もしくは “(I request that) God save the Queeen.” などと解釈し、要求のthat節なので save が原形だと解釈するとか)

こんな緻密なプロセスを頭の中で一つ一つ順を追って実行するから、1つ1つの英文を読む速度は遅くなるのです。”The porter refused us admittance.” も同じです。

「えーっと、これはSVOOだな」と分解/分析している分だけ、時間がかかります。”This machine will save you much labor.” のSVOO解析も同じです。

例えば “He is a Christian turned Buddhist.” などは如何でしょうか。SVCで、Cは Buddhist です。

これなどは「CがChristianだと考えると… いやだめだ。”He is a Christian (who) turned Buddist.” では英文法的に正しくない」などと悩むことになります。

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日本の学校英語では、未だに五文型や基本文法の紹介はあるものの、その後は「センスに応じて習って慣れろ」です。この方法が大々的に採用されていない辺りから、私のような者には実戦的ではあるものの、独特な学習方法であるのは確かなようです。

英国在住経験者たち

一部では “ジョン・ブル” などと呼ばれていますが、英国英語と米国英語はすぐに見分けが付きます。何しろ単語の最後が “er”
が “re” と書かれるとか、scheduleの発音が異なったりします。

“help 人 原形不定詞” にしても “help 人 to 不定詞” です。ウィンチェスター大学を卒業した者を知っていますが、それはもう典型的なイギリス英語でした。

(その人の上司がTEOICスコア990ホルダーで、しばしば「米国英語を使え」と指導されているそうです。あ、私の会社の子会社は、米国に本社が存在します)

ちなみにイギリス英語といっても、階層や地域によって異なるらしいです。イギリスに出向していた同僚の英語を聞くと、先ほどの大卒者とは随分と違った英語を使います。なんというか、まず発音も巻き舌のような印象が多くなり、to不定詞を使いまくります。

たった二人しかいませんけれども、相当にタイプが異なります。もちろん米国英語も地域によって極端に異なりますけど、さすがに異なるのは発音程度です。

こうなると英語リーディング教本を適用するのは、なかなか厳しいかもしれません。さいわい私はシリコンバレーの標準英語なので、エイゴリーディング教本とは相性が良いみたいです。この偶然には感謝しています。

それにしても英国というのは、本当に未知の場所です。さすがに映画やテレビでは限界があるので、一度は訪問できれば嬉しいと思っています。

まとめ

とりあえず大雑把に書き殴って見ましたが、ともかく英語は「習ってから使ってみる」のが一番でしょうか。

特にこちらのブログでは初心者向けの話を中心にやりたいと思うので、あまり厳密な文法は控えることにしましょう。

(をいをい、そうすると「そもそも英語リーディング教本を紹介する意味は?」となりますね。(^_^;))

ちょっと強引で申し訳ないですけれども、いずれ本エントリーは修正を実施することにしたいと思います。

それでは今回は、この辺で。ではまた。

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記事作成:四葉静