パンダ金貨(熊猫金貨)を入手した体験談と、それで考えたこと
世界の大抵の国では金貨を発行しており、中国でも1982年から金貨発行を再開しました。
中国というのは私にとって難易度の高い国で、金貨の購入も躊躇していました。
しかしいつまでも避けて通る訳にはいかず、とうとう1gの超ミニチュアサイズの金貨を購入してみました。
今回は “中国” と “1g” がセットになってお越しなさったので、いろいろ考えさせられるところがありした。
やっぱり金貨は趣味の範囲内が楽しくて良いという結論なんですけど、そこへ至る過程を紹介させて頂きたいと思います。
(やっぱり中華人民共和国だなあ、と)
中国の思い出
パンダというと、思わず上野動物園を連想する世代です。そういえばパンダの記念切手も購入した記憶があります。
ところでその中国ですけど、実は私にとっては難易度の高い国です。
なぜなら基本的に米国人に近い思考パターンの私は、ローコンテクスト文化に慣れています。阿吽の呼吸で意思疎通するのは苦手で、何でも空気を読まずに発言します。
一方で中国というのは、世界で最もハイテキクストな文化の国だと教わりました。日本も相当なハイコンテクストだけれども、トップは中国なんだそうです。
そしてさらに厄介なのが中国語です。英語は何とか行けますけど、中国語は完全にお手上げです。
かろうじて相手にして貰える時には、「漢字が使えるので米国人よりは少しだけマシと思って貰えているかな?」と自己評価できる程度です。親父が何度も中国旅行したことには敬服しています。
一方で私はといえば、一度仕事で北京を訪れたことがある程度です。完全に単独行動です。
会議場所からホテルに戻って来る時には、皆が大通りに出てタクシーを拾います。米国人はお金やツテがあるので、会議場に隣接したホテルに宿泊しています。
つまり予算が乏しい私のような者だけが、タクシーを拾うのです。いやいや、上京して来た中国人や北京住まいの人々には勝てませんでした。
皆がどんどんと上手にタクシーを掴まえて立ち去って行きます。私はといえば、会議場よりも移動したらと考え … ダメです。先行されています。
最終的に私が考案したのは、「会議場の隣のホテルに来るタクシーを掴まえる」でした。
つまり夕方になってホテルにお客さんを送って来たタクシーは、それで「空車」となります。そのタクシーを掴まえるのです。
全体的に状況を俯瞰できれば、簡単なことです。しかし私のような方法は、誰も思いつかなかったようです。
5日間の会議の間はタクシーに困りませんでした。銀河英雄伝説のヤン・ウェンリー元帥は戦局を一気に覆すことで「ミラクル・ヤン」と呼ばれましたけど、現実にそのようなことは起こり得ると勉強する良い機会になりました。
しかし… ホテルから空港への移動は、逆に大失敗でした。ホテルにタクシーを呼んで貰ったのですが、それで足元を見られてしまいました。
なんか気前よくアチコチを見せてくれた後で請求された運賃は、通常価格の5割増しでした。空港に無事辿り着ければオッケーという弱腰を的確に見抜かれてしまった訳で、ハイコンテクストな人々には敵わないと痛感させられる一幕でした。
(中国支社長の秘書さんに案内して頂いて購入したお土産)
1g金貨の価値
そんな弱気な私が購入したのが、1gのパンダ金貨です。空港へのタクシー代のように少々割高な購入となってしまったけれども、モノは悪くないです。
ご覧のように、空気の流入が完全に遮断されたポリプロピレンのカバーに封印されています。取り出して触ってみたい人向けには、ケースもキチンと用意されています。
気のせいかもしれませんけど、パンダ金貨には保管に気を配ったものが多いような気がします。気配りのきくハイコンテクスト文化な国の金貨だからでしょうか。
それ以外にも、「資産家向けを意識した金貨なので、しっかりしている」といった可能性なども考えられます。ここはあまり深く考えても、得るものは無さそうです。
それよりも今回改めて気になったのが、地金金貨の販売価格と買取価格の差です。田中貴金属では2020年4月17日9:30時点で、ウィーン金貨/メイプルリーフ金貨は、次のコイン価格表のようになっています。
サイズ | 税込小売価格 | 税込買取価格 |
1オンス | 216,499円 | 195,928円 |
1/2オンス | 110,311円 | 97,772円 |
1/4オンス | 57,069円 | 48,514円 |
1/10オンス | 23,368円 | 19,449円 |
こうやって見ると、買取価格はキレイにサイズ(重量)に比例しています。一方で小売価格は、小さい金貨の方が高めに設定されています。
もし1/10オンスを10枚揃えて1オンスにしようとすると、23,368円 x 10枚 = 233,680です。1オンス金貨の216,499円とは、相当な差があります。
したがって「金を資産として持ちたい!」という方々がいたら、1オンス金貨だけを購入するのが得策になります。(というか、金を資産として持つならば、やはり金地金(インゴッド/金の延べ棒)が効率的ではないでしょうか。
そうやってみると、約1g(だいたい1/30オンス)の超ミニチュア金貨というのは、もはや完全に趣味の世界です。若い方ならば大丈夫でしょうけど、少し老眼の入ったオジサンには辛いものがあったりします。
それにしても本当に小さいです。この小さな金貨に「ジャイアントパンダ」が大きくデザインされているのは、なかなか興味深い気がします。
まとめ
以上がパンダ金貨(熊猫金貨)を入手した体験談と、それで考えたことです。ちなみに割高と申し上げましたが、購入したのは楽天の “ジュエリーショップ” です。楽天ポイントの付与を考えても、相当高かったです。(でもパンダかわいい)
そういえば野口コインさんでは、なぜか中国金貨のコーナーでオーストラリアの干支金貨を紹介しています。オーストラリアは中国人留学生が多いことは知っていますけど、在留中国人や旅行者が多いのでしょうか。
中華人民共和国(Great China)だけでなく台湾や香港?もありますので、日本も干支金貨やパンダ金貨を発行しても良いかもしれません。
何にせよ、中華人民共和国は世界有数の人口数を誇ります。そして中国語を話す人の人数も多いです。
これからもパンダ金貨は、かなり多くの人々の人気を集めることになりそうです。
(私が資産家だったら、古い時代の金貨を集めたい気がしますけど)
それでは今回は、この辺で。ではまた。
——————————–
記事作成:四葉静