[英語学習] 「鬼滅の刃」英語版マンガ(第9巻)で基礎力UP(1/2)
こんにちは。子供が喜んで英語学習したくなる教材を模索中の四葉静です。
さて「鬼滅の刃」の第9巻(英語版)が、2019年11月5日に販売開始されました。
世界各国に向けた翻訳版だけあって、分かりやすい英語です。基礎力アップに役立ちます。
「米国人でないと分からない言い回しや単語」が出て来ないというのは、英語学習者にとっては嬉しいことです。
さっそく一般公開されている範囲限定ですけど、英文読解に挑戦してみることにしましょう。
(今回も、主節の動詞には緑色のマーカーを引いています)
第9巻のあらすじ
第9巻は無限列車編が終わって、新展開です。日本語版のあらすじは、下記の通りです。
““音柱”宇髄天元と共に鬼の棲む遊郭へ向かった炭治郎たち。そこではくノ一である天元の妻3人が、情報収集中に連絡を絶っていた。調査のため炭治郎たちは女装して潜入するが、鬼の居場所は掴めなかった。そんな中、花魁たちに鬼の魔の手が!! 炭治郎たちは、鬼を見つけられるか!? “
“Tanjiro and his friends accompany the Hashira Tengen Uzui to an entertainment district where Tengen’s female ninja agents were gathering information on a demon before they suddenly disappeared. In order to investigate, Tanjiro and the others disguise themselves as women to sneak in! As they close in on their target, the demon reaches out for the courtesans of the district!”
あらすじは3つの文で構成されています。
“Tanjiro and his friends accompany the Hashira Tengen Uzui to an entertainment district where Tengen’s female ninja agents were gathering information on a demon before they suddenly disappeared”
文構造は、”主語 + accompany 人 to 場所.” です。炭治郎たちは、”柱” の宇髄天元にお供して、entertainment district (遊郭) へ赴きます。where 以降の部分は、遊郭を説明する関係副詞です。妻ではなくfemale ninja agents (女性の忍者エージェントたち)と紹介されています。
私程度(TOEICスコア950レベル)の英語力だと、 entertainment district に an を付けるか the を付けるか悩むところです。ちなみにこの程度の限定説明の場合は、an になるらしいです。勉強になります。
gather は「集める/収集する」という意味の重要動詞です。a demon なので、鬼は一人の想定になっています。before 以降の部分から、彼女たちが突然消え去ってしまったということが分かります。
“In order to investigate, Tanjiro and the others disguise themselves as women to sneak in!”
investigate は他動詞として使われることが多いです。ここでは彼女たちが消え去った理由(the reason)などが省略されていると考えた方が、分かりやすいでしょう。ちなみに investigate は刑事ドラマなどで「調査する」という意味として多用されます。ついでにInvestigator (調査官) も覚えておくと良いです。
disguiseは「装う」というニュアンスですが、ここでは「変装する」という意味で使われています。sneak は、「忍び込む」です。neak in xxx という使い方が多く、今回は省略表現として使われていると解釈するのが妥当でしょう。
As they close in on their target, the demon reaches out for the courtesans of the district!”
close in は熟語みたいなもので、「忍び寄る」という意味があります。move in も同様です。on というのはターゲットにどんな感じで忍び寄っているかを示します。誤植ではありません。
reach outも誤植ではありません。reach に躍動感を持たせるためにoutを付けます。ランダムハウス英和大辞典では、”He reached out to the wall as if for support.”(体を支えるように、壁に手を伸ばした)という例文を紹介しています。
for the courtesans で、「高級娼婦たちの方向へ」です。for はこのように、方向を示すのに使うこともあります。
マンガでは、狙われるのは花魁という遊郭のトップたちです。だからここでは “the” courtesans と、定冠詞を使っています。
冒頭部分の紹介
冒頭は天元さんの方針説明から始まります。ものすごく強気です。「まずは俺をあがめろっ!」です。(^^;)
“All right … I am a God! You guys are trash! First, get that into your heads! Drill it in there!”
a God なので、彼は多神教のようです。you guys は you = guys という同格表現で、日本語でも同じような「お前たち子分ども」といった同格表現があります。
ちなみに神で「ある」ことを強調したいので、I’m と省略せずに、わざとI am と表現しています。
trash とはゴミやガラクタのことです。there は炭治郎たちの heads を指しています。
“If I say be a dog, you act like a dog!”
これは実際に起こりえる仮定なので、say と現在形を使っています。「be a dog」で1つの独立した文です。これが say の目的語となります。like はお馴染みの用法で、「~のように」です。
“First and foremost, you must please me! Bow and scrape and avert your eyes! You toadies are mine, body and soul!”
foremost は「第一」のとか、「主要な」といった意味です。「まず真っ先に、俺を喜ばせろ!」です。
「土下座(bow)をして、頭を地面にこすりつけた(scrape)まま動け!」と言っています。今回のscrape は自動詞です。screper という大工道具(削り器)もあります。
your eyes は avert(目を逸らせる)の目的語です。高貴な存在は、直視してはいけないのです。
これは昔の日本の方が典型的でしょうか。貴族は御簾越しに会話する存在でした。江戸時代には「おもてをあげい」といった表現も使われました。
“I’ll say it again … I am a God!”
ここは現在の日本語でもあるように、「もういちど繰り返して言う」とのことです。英語だと、“Repeat!” と言うこともあります。
“This guy is messed up!”
これは善逸の呟きです。mess は乱雑とか滅茶苦茶といった意味です。”What a mess!” とか、名詞として使用することもあります。
“What exactly are you the God of?”
これは疑問文から平叙文に変形すると、”You are exactly the God of What.” となります。つまり炭治郎は「正確には何の神様でしょうか?」と、日本語原文と同じ質問をしています。
“And He’s a fool.” という善逸の表情が秀逸ですね。He とは炭治郎のことです。
“Good questiion. You’ve got promise.”
これは天元さんの返答です。promise は日本語原文と同じく、「見込み、(将来の)約束」といった意味です。善逸の “It’s a dumb question. He’s hopeless.” という心の声が秀逸ですね。
“I’m the god of glam and flash… the god of festivals!”
天元さんの使っている gram は、glamorous(魅力的)や、glamor(グラマー)に使われる glam です。あまり使わない言葉なので、festival(フェスティバル)と再び纏めています。
“What an idiot.” は、”What an idiot(阿呆)he is.” (彼はなんたる阿呆なのか!)を省略したとも言えます。
そして善逸の心の声は続き、“Without a dought, he’s a the god of Idiots.” と評価しています。
猪之助の “Greetings!” は、「挨拶」から転じて「ごきげんよう」といった意味になります。実際に多用されている挨拶です。
“What are you talking about? You are weird.”
そして天元さんからは「何を言っているんだ? お前変(weird)だぞ」という返事ですね。さらに彼は “Creepy!” (背筋がぞくぞくする)とまで呟いています。
“You think that’s weird? He’s acting just like you!”
これも善逸のツッコミ(心の声)です。that は That is weird. の主語です。
act は振舞うで、俳優の actor と同じです。女優は actless ですね。just like you は、TVドラマでも多用されている表現です。。
“How can he be so dismissive when they’re two of a kind.”
dismissive は「否定的、尊大な」といった意味です。a kind で1種類ですから、「どーして同類項なのに、そんなに自信もって猪之助を否定できるの?」と呟いています。
“Along the way to the Hanamachi, there is a wisteria house. We’ll make our preparations there.”
実務に入り、天元さんが「花街までの途中に、藤の家がある。そこで準備をする。」と言いました。注釈が入っていて、花街とは先程の an entertainment district だと解説されています。
“Follow me.” は天元さんにとって当たり前の指示なので、「!」ではありません。貫禄十分ですね。そしていきなり、三人組の前から消え去ります。
“He’s gone!” と、善逸が吃驚しています。
“He’s so far away he looks like a little sesami seed!”
far away は重要語句の「遠くに離れている」なので、ご存知の方も多いでしょう。sesami seed は、「胡麻の種」です。
ちなみに有名な「開けゴマ」という呪文は、英語では “Open sesami!” と言います。それと、この文はso that構文です。thatが省略されています。
まとめ
ちょっと長くなったので、今回はひとまず終わりとしましょう。(二部構成にします)
それにしても、冒頭部分だけでも十分に楽しめる小話です。さすがに柱は個性的な人たちが多く、登場するたびにインパクトを与えてくれます。
そして9巻は全体的に、こんな感じです。ギャグが多くて楽しめます。受験英語やTOEIC学習に疲れていたら、気分転換に読むのもオススメです。
ちなみに私は英会話の訓練をしたことが殆どありませんが、会話力が高いことに驚かれることが多いです。その理由は、実はこういったところで気に入ったセリフを暗記しているからです。
それでは、今回はこの辺で。
ではまた。
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執筆:四葉静(TOEICスコア950以上)