【参考書の紹介】私がTOEIC 900を越えた時の勉強法は、英国チャーチル首相と同じだった
さて私はTOEICスコア800を突破した後、900を越えるには20年近くを要した。その突破口となったのは、会社同期の英語No.1からTOEIC公式公式問題集を紹介されたことだ。
それで文型に注意して読む(品詞や言い回しに色付けする)ようになったのだけれども、既に先人でこれを実現している人がいた。
実はプロから言わせると、”劇薬” とも言える方法なのだそうだ。そこでまずはプロの本「基本からわかる英語リーディング教本」を紹介させて頂くことにする。
この本の「はじめに」を引用しながら紹介させて頂こう。
まず薬袋先生によると、トロイ遺跡の発見者のシュリーマンの「古代への情熱」に述べられている方法が有名なのだそうだ。徹底した音読と暗唱による方法だそうで、何となく英語センス抜群だった高校同級生や弟の勉強方法を彷彿とさせる。ちなみに我が子は小学生だけれども、やはり文法は殆ど勉強しない。(さらに恐ろしいことに、中等部でも文法は殆どやらないらしいと漏れ聞いている。)
それに対して、問題児で有名だったウィンストン・チャーチル元英国首相は、自伝My Early Lifeで次のように語っているのだそうだ。
「私は英語を教えられた。劣等で英語しか覚えられぬと考えられたからだ。この成績不良の生徒に世間でもっとも軽視されていること、すなわちただ英語を書くことを教える役を任せれたのが、ソマヴェル先生であった。この先生はじつにいいひとで、私はこの先生に非常に追うところが多い。
彼はいかに英語を教えるかをよく心得ていた。彼ほど教え方の上手な人はないように思う。我々は英語の説明を細かく聞いたばかりでなく、たえず文の解剖を練習した。先生には独特の教授法があった。彼はかなり長い文章をとって、それを黒、赤、青、緑のインクでいろいろな構成分子に分ける。主語、動詞、目的語、関係節、条件節、接続節、離接測など! みなそれぞれの色彩をもち、それぞれの括弧に包まれる。それは一種の練習問題で、我々はほとんど毎日それをやらされた。そして私は四級三(B)にだれよりも三倍長くいたから、人より三倍よけいにやった。
私は完全に習い込んだ。普通の英文なら、その基本構造を骨の髄まで徹底的に理解した。これはじつに尊いことだ。それゆえ、美しいラテン語の詩や、簡潔なギリシャ語の警句を書いて賞をとった同級生が、後年、生計を立てるため、あるいは世間に出るため、普通の英語を書かねばならなくなったとき、私はこれと伍してなんらの遜色を感じなかった。」
私はここまで徹底してやらなかったけれども、主節の動詞は緑で、accuse 人 ofなどの言い回しは赤で、従節の動詞は黄色でマーキングして勉強した。後日この部分を読んだ時には、やはり先人がいたのかと驚いてしまった。
ただしこの方法は、下手に手を出すと藪蛇な結果を引き起こす危険があるのだそうだ。薬袋先生は次のように注意して下さっている。
“ところで「文の解剖」は副作用の強い劇薬のようなもので、下手に手を出すとかえって害を及ぼします(だから、「文の解剖」と攻撃する人が多いのです)。私の経験では、この勉強は独学ではなく、講義を受けるか、または手引きをしてくれる本にしたがってやるのが絶対的に良いのです。”
たしかに文法知識が不十分なものが、文の解剖を試みるのは ”変なクセ” が付くだけで終わってしまう危険があるかと思う。私も変なクセが付いてしまった可能性は否定出来ない。ただし幸い、TOEICの文法問題程度は間違えることが滅多にないレベルではあった。それに分析は私は専門分野である。それらのおかげで、とりあえず結果としてスコアは上がったのかもしれない。
今回紹介したいことは、おおよそ以上だ。もしかすると英語というのは登山と同じで、私のようにセンスのない者は、全体を俯瞰しながらアタックしていくのが良いのかもしれない。
ともかく興味のある方、特に追い詰められている方にはご一読をオススメしたい一冊である。